現在所有しているアパートやマンションの共用部は、清掃が行き届いているでしょうか。賃貸経営において共用部を適切に管理し清潔を保つことは、入居者の満足度向上に直結するだけでなく、内見時の印象にも大きく影響します。

　共用部とは、エントランス、メールボックス、共用廊下、ゴミ置き場など入居者が使用する部分を指します。例えば、エントランスや共用廊下が清潔であれば、築年数が古い物件でも内見者に良い印象を与えることができます。また、入居者にとっても快適な生活環境が提供されるため、長期入居にもつながりやすくなります。

　一方、共用部の清掃が不十分な物件は、内見者に悪い印象を与え、空室率の上昇や既存入居者の退去理由にもなり得ます。このように、共用部の管理は賃貸検討者や入居者双方に影響を与えるため、共用部の清掃を徹底することが賃貸経営における重要な要素といえます。

1. 共用部管理の重要性

　賃貸アパート・マンションの管理において、共用部の管理は非常に重要です。適切な清掃と日常的な巡回点検により、建物の資産価値を維持し、寿命を延ばすことが可能です。定期的な清掃により建物の美観が保たれ、巡回管理により不具合を早期に発見して迅速な修繕対応が可能になるため、長期間にわたり健全な賃貸経営を行いやすくなります。

2. 共用部分の清掃・点検箇所

 ■共用部清掃

 　共用部の清掃は、手軽にできる空室改善の手段です。清掃が行き届いている物件は清潔感があり、管理がしっかりしているという安心感を内見者に与えます。内見時にお客様が外観の次に目にするのが共用部であるため、少なくとも月1回は清掃することを推奨します。夏場は虫の発生が増えるため、特に定期的な清掃が必要です。

 ■ 駐車場整備

 　駐車場の区画線（白線）が消えかけていたり、地面が破損している場合には定期的な点検が求められます。

 　• 白線が明確に引かれているか

 　• アスファルトに亀裂や破損がないか

 　これらの点検を行うことで、駐車場の安全性と整備状態を保つことができます。

 ■ゴミ置き場の管理

　ゴミ置き場の有無は、賃貸希望者にとって部屋探しの判断基準の一つです。ゴミが散乱していると、不安を感じる入居者も少なくなく、地域住民や近隣住民からの評価も下がる恐れがあります。管理費用も低めで設置可能なコンパクトなゴミボックスの設置も選択肢に入れると良いでしょう。ゴミ置き場の清掃を徹底することで、入居者が快適に生活できる環境を提供でき、空室対策にも有効です。

 ■駐輪場整備

 　賃貸物件での悩みの一つに放置自転車の問題があります。放置自転車は見栄えを損ない、治安の悪化にもつながるため、早期対応が重要です。

　 1. 撤去通知 – 放置自転車の撤去予定日などを記載した書面を住民に配布します。

　 2. 写真撮影・記録 – 撤去時のトラブルを避けるため、放置自転車の全体や撤去通知を貼付

　　した状態を撮影しておきます。

　 3. 警察署への連絡 – 撤去期限を過ぎても所有者が判明しない場合、盗難車両でないか確認

　　するために警察に連絡します。

 　4. 撤去または引き取り – 警察の指示に従い、所有者が不明な自転車は撤去を行います。

3. まとめ

　今回は、賃貸物件における共用部分管理の重要性について解説しました。外観や共用部の管理は空室対策としても有効です。所有物件の状態を再度確認し、共用部の清掃や点検に注力することをおすすめします。