今回は、退去時に必ず必要となる原状回復について、賃貸経営におけるポイントをお伝えします。

 現在、家賃が下落し空室が多くなっている状況では、単に部屋を元の状態に戻すだけでは不十分です。今の時代、空室を埋めるためには「決まる部屋」を作り上げることが求められます。ここでは、決まる部屋を作るための具体的なポイントをご紹介します。

① 住む上で問題のある箇所を修繕する

 まず最初に、作動しないエアコンや開け閉めが難しい窓、漏れている蛇口など、次の入居者に支障をきたす修繕箇所はすぐに対応しましょう。最低限の修繕を行うことが、スムーズな入居につながります。

② 設備の更新

 次に重要なのは設備の更新です。エアコンやモニター付きインターフォンなど、人気の高い設備は必須です。たとえ使える状態でも、10年以上経過したエアコンは電気代が高く敬遠されることがあります。新しいものに交換することで、入居率の向上が期待できます。

 また、人気設備ランキング上位のものは、インターネットで物件を検索する際に必須となる要素です。これらの設備が設置されていないと、検索結果に表示されず、反響が得られない可能性が高くなります。必ず人気設備を導入することが重要です。

③ デザイン改善の検討

 長期間利用され、人気が低下してきた部屋に対しては、デザインを取り入れるだけで大幅な改善が可能です。原状回復の際に一緒にデザインリノベーションを行うことで、比較的低コストでお部屋の価値を高めることができます。

 クロスや床の張り替えなど、リノベーションにもさまざまな方法があります。オーナー様の手取りが最も多くなるように、税引き後のキャッシュフローも考慮して改善策を検討することが大切です。また、短期的に物件を売却する場合には、できるだけコストを抑えた工事を行う提案も可能です。

 今後の賃貸経営の方針を管理会社としっかり話し合い、改善方法を考えることが成功への鍵となります。お部屋の現状を正確に把握し、どこまで投資するかを見極めることが重要です。