【空室対策】宅配ボックスのメリット・デメリット
宅配ボックスは、新型コロナウイルスの影響で需要が急増しています。しかし、どのようなタイプの宅配ボックスがあるのか、またその費用が気になるオーナーも多いでしょう。そこで今回は、宅配ボックスの種類やメリット・デメリットについて調査しました。
まず、宅配ボックスを設置することのメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット
宅配ボックス最大のメリットは、不在時でも荷物を受け取れる点です。特に、日中仕事に出かけている単身者にとっては、非常に助かる設備です。また、コロナ禍で「人との接触を避けられる」「防犯対策になる」といったメリットも注目されています。
デメリット
一方で、デメリットは主に設置スペースと費用です。さらに、宅配ボックスのサイズや数に制限があるため、世帯数が多い物件や繁忙期には、ボックスが不足する可能性もあります。冷蔵機能がないため、冷凍品や貴重品の受け取りが難しいことや、一部の入居者がロッカー代わりに使用するケースもあり、使用ルールの周知が必要です。
宅配ボックスの種類
宅配ボックスは大きく2種類に分類されます。
アナログタイプ(機械式)
テンキーや暗証番号で開閉するタイプで、電気工事が不要なため設置しやすい点が特徴です。ただし、配達業者が暗証番号を誤って記入する可能性や、紙のメモを紛失するリスクがありますが、維持費がかからない点がメリットです。
デジタルタイプ(電気式)
タッチパネルやスマホ連動で施錠・開錠できるタイプです。セキュリティが高く、オンライン管理が可能なため、長期間荷物が放置されたり、暗証番号を忘れてしまった際にも対応できます。ただし、設置には電気工事が必要で、ランニングコストにも注意が必要です。
宅配ボックスを設置するときのチェックポイント
入居者に人気の宅配ボックスを設置する際には、いくつかのポイントに注意する必要があります。
<設置スペース>
設置する宅配ボックスのタイプや製品、ボックスの数によって設置スペースは異なりますが、1ユニットあたりのサイズは、W500㎜×D600㎜×H1800㎜程度が一般的です。既存の建物に設置する場合は、以下のような空きスペースを活用することが推奨されます。
■エントランス
■階段下
■廊下
■自転車置き場
ただし、消防法や配電の有無に注意する必要があります。
<ボックス数とサイズ>
宅配ボックスの目安として、一般的に部屋数の30%程度が推奨されますが、タイプによって異なります。
■デジタルタイプ:20〜35%
■アナログタイプ:40〜50%
ネットショッピングの利用増加や非接触の受け取りニーズが高まっているため、この目安では不足する可能性も指摘されています。また、専有と共有を切り替えられるタイプも人気があり、SSからLサイズまでの様々なボックスサイズを入居者のニーズに合わせて選ぶことが重要です。
<宅配ボックスの維持・費用>
アナログタイプの宅配ボックスは、ほとんど自主管理で運用されるため、維持費用がかかりませんが、その一方で、荷物の取り忘れや長期間放置されるリスクがあります。デジタルタイプは、自主管理またはオンライン管理が一般的です。自主管理の場合、維持費は少なくて済みますが、管理者の手間がかかります。オンライン管理の場合、荷物の管理やトラブル対応が迅速ですが、他のタイプよりも維持費用が高くなります。
<設置費用>
設置費用はサイズやタイプによって異なります。例えば、12ボックスの宅配ボックスを設置する場合の費用は以下の通りです。
■アナログタイプ:60万円程度
■自主管理するデジタルタイプ:80万円程度
■オンライン管理のデジタルタイプ:100万円程度
宅配ボックスは空室対策の切り札になる!?
新型コロナウイルスの影響で、非接触・非対面で荷物を受け取れる宅配ボックスは、入居者からの高い支持を得ています。また、配送業者の負担軽減や環境配慮の観点からもニーズが高まっています。しかし、宅配ボックスを設置している賃貸物件はまだ少ないため、これを設置することは空室対策として非常に有効です。オーナーの方は、単身者・ファミリー層のどちらからも人気の高い宅配ボックスの導入をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。