【空室対策】なぜ入居者が決まらない?その答えはメンテナンスにあり
あなたの物件が選ばれない理由とは?今回は共用部のメンテナンス不足がもたらす影響から、改善策と差別化戦略を通じて、物件の魅力を最大限に引き出す方法をご紹介します。
1. 共用部のNG事例
共用部分やエントランスは、物件のメンテナンス状況が最も顕著に現れる場所です。この部分は物件全体の第一印象を決める大切な役割を担っています。ここでは、共用部分で避けるべきNG事例をいくつかご紹介します。
- チラシの散乱 チラシが散乱していると、住んでいる人のマナーが悪い印象を与えてしまいます。日常的に清掃業者に依頼して、常に清潔を保つよう心掛けましょう。
- 過剰な広告防止シール 広告防止シールが多すぎると、「空室が多い=人気がない物件」といった印象を与えてしまいます。シールは必要最低限にとどめ、物件の魅力を損なわないようにしましょう。
- ポストシールの跡 シールを剥がした後がそのまま残っていると、物件の印象を悪化させます。簡単に剥がせるため、清掃時や退去時に必ず対応しましょう。
- 劣化した掲示板や古い掲示物 掲示板の劣化や期限切れの掲示物は、物件に対する信頼感を損ねます。掲示内容の定期チェックを欠かさず、いつでも最新情報が掲示されている状態を保ちましょう。
- 放置物やコケの発生 放置物やコケが発生していると、建物全体が不潔な印象を与えます。年に1度は高圧洗浄などで徹底的に清掃を行いましょう。
- 劣化したサインの放置 消えかけたサインやプラスチック製の劣化しやすいものは、すぐに交換しましょう。見栄えが悪いと物件全体の価値が下がる原因になります。
2. 予防保全の必要性
定期巡回
予防保全の一環として、定期巡回は非常に効果的です。オーナー自身が行う場合もありますが、管理会社と協力して月1回程度の巡回を行うことが推奨されます。巡回中に見つかった問題は速やかに対処し、綺麗な状態を維持しましょう。また、記録を残しておくことで、経過観察も可能です。
共用部の清潔さの重要性
室内だけでなく、共用部分や外観の綺麗さも重要です。「割れ窓理論」に基づき、早めに対応することで物件全体の秩序や治安を保つ効果があります。入居者が綺麗に使う意識を持つことで、物件の魅力が向上し、内見時にも良い印象を与えます。
高圧洗浄機の活用
頑固な汚れや苔には高圧洗浄機が効果的です。定期的な清掃で共用部の美観を保ち、成約率アップを目指しましょう。
3. 改良保全
改良保全とは、設備が故障した際に、今後同じトラブルが発生しないように設備自体を改善する方法です。予防保全を実施した上で、改良保全を行うと、さらに効果的です。
・デザインで差別化
デザインを工夫することで、入居者も物件を綺麗に使用するようになり、内見時の印象も良く、契約が決まりやすくなります。共用部やエントランスでは、物件名、照明、壁紙、ドアを変更するだけで物件全体の印象が大きく変わります。たとえば、物件名を「〇〇コーポ」から「COMODO」に変更すると、まったく新しい印象を与えることができます。また、照明を蛍光灯からダウンライトに変更することで、雰囲気を演出することができ、おすすめです。大規模な工事をする必要はなく、表面的な部分のリニューアルだけで、満室になり利回りが向上した事例もあります。
・LED化でコストダウン
LEDの平均寿命は約15年で、電気代も削減できるため、省エネ効果が非常に高いです。また、電球色を使用すると薄暗い場所でも快適な雰囲気を保ちやすく、虫も寄りにくくなるため、特に廊下やエントランスに最適です。
・掲示板をアートに変える
掲示板は古くなった掲示物が溜まりやすく、雑多な印象を与えがちです。掲示板に絵やアート作品を飾ることで、より洗練された印象に変えることができます。エントランスに入った瞬間にアートが迎えてくれると、入居者や訪問者の気分も明るくなります。
4. 外壁塗装のサイクル
メンテナンス塗装を怠ると
外壁塗装のサイクルは10年から15年です。このメンテナンスを怠ると、建物の劣化が進行します。
【木造建築の場合】
- 雨水が室内に侵入
- 床下に湿気が溜まり、木材が腐食
- シロアリが発生
【軽量鉄骨・重量鉄骨の場合】
- 鉄筋が錆び、体積が増加
- 鉄骨と壁の間に隙間が発生
- ALC板やモルタルに亀裂が生じ、隙間ができる
- 鉄骨の断面積が10%錆びると、強度不足が発生
【RC構造の場合】
- 鉄筋が錆びて体積が増加
- コンクリートがひび割れ、鉄骨との接着力が低下
- コンクリートが剥離し、落下の原因になる
5. 外壁にもデザインをプラス
外壁塗装工事の主な目的は、建物の劣化防止です。老朽化による雨漏りなども、外壁塗装工事で防ぐことができます。この効果は、通常の塗装でもデザイン性を取り入れた塗装でも変わりません。せっかく塗り直すのであれば、単に同じ色に戻すだけではなく、デザイン性をプラスして建物の価値を上げるメンテナンスを検討してみてはいかがでしょうか。
6. 入居者に人気の設備
賃貸住宅新聞社が発表している人気の設備ランキングは、賃貸経営者にとって非常に参考になります。最新データによると、単身者・ファミリーともに1位はエアコン、2位はセキュリティ強化のためのテレビモニター付きインターフォン、3位は室内洗濯機置き場がランクインしています。また、インターネット無料の設備も毎年上位に入っており、これらの設備は必須と言えるでしょう。
7. お部屋のベースを整える
ークロスを整える
お部屋のクロスは統一感が重要です。同じ「白」のクロスでも、天井と壁で異なる種類を使うことが古臭い印象を与えることがあります。トーンを揃えてクロスを統一することで、違和感を解消しましょう。
ー水回りを整える
2ハンドルの混合水栓や電気コンロは不人気です。シングルレバー水栓やIHコンロに変更し、使い勝手を改善しましょう。トイレも清潔感が重要で、便座や紙巻き器の変更、床材のカラーを工夫することで清潔な印象を作り出すことができます。お風呂もシングルレバーに変更し、壁にアクセントを加えたり、大きな鏡を設置して高級感を演出しましょう。
ー日常生活で手に触れる箇所も重要
ドアノブや紙巻き器など、よく触れる箇所も重要です。古くなったものはクロームメッキのスタイリッシュなデザインに変更しましょう。
ー電球色の効果
照明を工夫することで、空間の雰囲気が変わります。電球色のダウンライトはリラックス効果があり、くつろぎたい空間に最適です。
ー耐久性も大切
床材は耐久性が重要です。安価なクッションフロアは傷が付きやすいですが、フロアタイルに変更することで耐久性が向上します。長期的には修繕費を削減できるため、賃貸経営において有効な選択です。
8. まとめ
物件の内装だけではなく、全体的なメンテナンスを行い、デザイン性を加えることで、物件の差別化が図れます。定期的なメンテナンスと改善を続け、魅力的な物件を提供しましょう。