不動産投資において、年数の経過とともに賃料下落・空室にお悩みのオーナー様も多いのではないでしょうか。  本記事では、人気設備や間取りなど賃貸経営に重要な知識、さらに物件の魅力を最大限に引き出す内装の作り方について4回に分けて解説させていただきます。

 

1.『賃貸経営モデルの理解

 

 まず賃貸経営モデルを理解することが大切です。物件が古くなると競争力が低下します。新築物件はより良いデザインと設備を備えているため、古い物件は空室が目立ち、家賃を下げざるを得なくなります。その結果、稼働率が低下し、家賃収入も減少します。この図の灰色の部分は失われた賃料を示しています。

 多くの大家さんは改善が難しいと思っていますが、実際には可能です。物件価値を向上させることで、家賃も上がります。物件価値に見合った家賃を設定しなければなりません。ただし、投資は税効果を見込んでプラスになる場合のみ行うべきです。投資家としての視点を持って経営することが重要です。

 プロモーションを適切に行うだけでも稼働率は向上します。ウェブサイトに掲載するプロモーション写真の質も重要です。人気の設備がないと検索すらされないことがあります。空室が多い現代では、検索結果に残るために人気の設備を導入することが必要です。また、水回りや部屋のデザイン、間取りなども物件価値を決定する要素です。これらすべてを踏まえ、投資に対するコストとリターンを考慮して経営判断を行うことが重要です。

 

 

2.『物件価値を決める内装の作り方』

 では、どうすれば物件価値が上がるのでしょうか。

 「内装編」を以下にまとめました。

 

①正しい賃料査定

 物件が正しく査定されていれば、物件は決まります。正しい賃料査定とは、物件価値に見合った賃料であるかどうかです。

 まず、相場家賃の査定を行います。これはライバル物件と比較するしかありません。そして、設備の有無や築年数、構造、間取り、立地などを加点・減点します。マトリックス表を作成し、客観的に見ることをお勧めします。

 自分の物件が相場よりも高いか安いかを理解することが重要です。無駄に安くする必要はありませんが、高すぎると入居が決まらず損失を招くことになります。ライバル比較は非常に大切です。

 

 

 角部屋は人気があります。角部屋のみ家賃を上げるなど細かく査定すると収益が改善することがあります。角部屋が暗い場合はプラスにならないこともありますが、基本的には角部屋は人気です。一般的に1階よりも2階の方が人気があります。

 例えば、角部屋を1000円UP、2階以上は1000円UPします。エレベーターの有無でも変わりますが、お部屋ごとに賃料を変えることで収益を上げることができます。

 

 

②プロモーション力

 次に、プロモーション力です。人の知覚には嗅覚や聴覚などがありますが、最も大きな割合を占めるのは視覚です。視覚は83%を占め、私たちは多くの情報を目から取り入れています。ネットに掲載する写真の重要度も高いです。多くのお客様はネットから物件を探すため、インターネット上で選ばれる写真をしっかりとプロモーションすることが課題です。

 素敵なお部屋を作ってもプロモーションが不十分だとお客様には届きません。検索サイトに掲載される物件写真が判断の入り口になります。写真の明るさ、バランス、彩度、全体が写っているかなどを考慮しましょう。

 

 

 バーチャルで家具を簡単に配置できるサービスもあります。何を置くかによって部屋の印象が変わり、住むイメージもしやすくなります。フォトステージングを活用すると反響数を大幅に増やせます。弊社は、高品質な写真とフォトステージングにより反響を30倍に伸ばしました。

 

 

外観の重要性

 

 内装だけで十分だと思っていませんか。物件探しの際に最初に目にするのは物件の外観写真です。クリックされるかされないかが反響に繋がるかを左右します。

 

 

人気設備の導入

 インターネットでの検索が主流となる中、物件を選ぶ際の重要な要素は設備です。人気の設備がなければ検索結果から外れてしまいます。まず検索で選ばれるためには、人気設備を導入することが重要です。

 

 

 

 毎年発表される「この設備がなければ入居が決まらないベスト10」では、単身向けもファミリー向けもベスト3は同じです。エアコン、テレビモニター付きインターフォン、室内洗濯機置き場が必須です。このランキングに入っている設備は確実に導入しましょう。

 

 

 「この設備があれば周辺相場より高くても決まるトップ10」では、1位がインターネット無料、2位がエントランスのオートロックです。単身の3位は高速インターネットで、ファミリーでは追い焚き機能が3位です。

 

 

宅配ボックスの需要増加

 

 2023年度からは高速インターネットと宅配ボックスの需要が増えています。自宅でYouTubeやNetflix、Amazonプライムなどを利用することが増え、宅配ボックスは便利です。宅配ボックスの需要は毎年増加していますので、できるだけ設置しましょう。

 

 

浴室の重要性

 

 浴室の状態が稼働率に大きく影響します。リノベーションした浴室はしていない浴室よりも稼働率が高くなります。水回りは綺麗な方が好まれるため、浴室は古いままではいけません。

次回は『空室ゼロを目指せ!物件のつくり方!その2』をお届けいたします。更新をお楽しみに!